これからはSaaS型ERPが主流に?作るのではなく探す手法についても
基幹システムは、企業の中核的な業務を支援し、管理するための重要なシステムです。
企業の各部門のデータ処理を一元管理し、スムーズかつリアルタイムに連携でるといった特徴があり、企業全体の業務効率化をサポートする重要な情報システムです。
近年ではクラウドベースの基幹システムやAIとの連携などさらなる機能拡張や柔軟性の向上が図られています。
この記事では、雑誌「日経コンピュータ 2024/8/8号」に掲載されていた、実際にSAP社のクラウド型ERP「S \4HANA Cloud」を導入した企業の記事を読んでみての学びをアウトプットします。
現在私が参画している基幹システム再構築PJとの比較も交えつつ書いていきたいと思います。
基幹システムとは?
基幹システムは、企業の中核的な業務を支援し、管理するための重要なシステムです。
基幹システムの主な特徴
1.統合性
・企業の各部門のデータ処理を一元管理
・部門間のデータ連携をスムーズに実現
2.リアルタイム処理
・即時的なデータ更新と情報提供
・迅速な意思決定をサポート
SaaS型ERPとは
ERPとは、統合業務基幹システムのことで、会計システム、購買システム、在庫管理システム、顧客情報を管理するシステムなど複数のシステムを一元管理するシステムです。
一元管理とは、例えば、商品が1つ受注されたら、在庫が1つ減り、会計システムに売り上げが計上されるといったように各システムが連動して更新され管理されることを意味します。
主なERPベンダーには以下の企業があります。
・SAP社(ドイツ)
・Oracle(アメリカ)
SAPという言葉は知っていたけど、会社名だったんだ。
ERPにはオンプレミス型とSaaS(クラウド)型があります。
これまではERPベンダーが提供するオンプレミスのERPを導入している企業が多かったのですが、ここ最近、SaaS型ERPを選択する企業が増えていきているとのことでした。ERPベンダーのの主力商品がSaaS型になってきていることが背景にあるようです。
クラウド型であれば、年に数回製品ベンダー側でバョンアップをしてくれるため、ユーザー企業は常に最新のバージョンの機能を使用できますよね。
最近はSAPやオラクルなどの大手ERPベンダーがAIを利用した新機能の追加に注力しています。
Fit and GapとFit to Standardとは?
これからのERP導入手法は、Fit to Standardが主流になりそうです。
Fit to Standardとは、実際のユーザー企業の業務フローをERPの標準機能に合わせていく導入手法です。
業務と標準機能に違い(Gap)が発生した場合に、ERPの標準機能に合わせることです。対してFit to Gapは、ERPの標準機能と業務の違いをアドオン開発をするなどしてカスタマイズしていくことです。
Fit and Gapがこれまでの主流でしたが、SaaS型ERPに切り替える企業が増えている現在は、Fit to Standardの開発手法を採用する動きが増えているようです。
その理由は、Fit to Standardは、ERPの標準機能に合わせることを基本としているので、ERPベンダーが定期的にバージョンアップをしてくれるSaaS型業務との相性が良いことです。
なるほど〜ユーザー企業側で管理の手間が省けるし、大手ベンダー提供の最新機能が常に利用できるのは大きいメリットですね。
ERP標準機能と業務フローの違いを埋める
SaaS型ERPでFit to Standardの導入手法を採用するとなると、標準機能にどうしても合わせられない部分(Gap)が出てきます。そのGapをどう埋めていくのかはユーザー企業にとっては悩ましい課題となります。
どうしても業務フローを変更できない場合は出てくる。
こうした標準機能で吸収できない業務は、これまでだとアドオン開発を行い別システムを作成し、APIで連携するといったことをまず行っていましたが、新型アドオン開発では、ズバリ作るのではなく探すからスタートします。
まず、ERPベンダーが提供しているSaaS型の
日本流のFit to Standard
日本流のFit to Standardとは、ERPの標準機能に合わせられるところは合わせ、ユーザー企業の業務と違う部分はAPIを通じたデータ連携や、ERPベンダーが提供してるローコードツール、ノーコードツールを使用してERPを直接変更しない形で機能追加を行う。
これまで主流だったFit to Gapは、ERPと合わない部分をERPパッケージ独自の言語を使用してERP自体に機能拡張を行うといった形なので、